☆コンプライアンスとガバナンス
コンプライアンスは企業を考える際の用語で、ガバナンスは経済学の中から出てきて、本来は行政の用語だったはずですが、今は経済とか市民社会を考えるときに使われるようになってきています。
コンプライアンスは「法令遵守」というふうに訳されることも多いのですが、それでは「法律守っていれば何してもいいのか」という議論になってしまいます。
そこで国際社会では今やコンプライアンスという言葉は「倫理」「哲学」「文化」とか、そういう抽象的な概念まで示す言葉になってきています。
またガバナンスとは何らかの組織について多様な主体がその意志決定と行動をコントロールすることといっていいでしょう。つまりいままでのように一人の経営者が独善的な経営を行うという行き方はガバナンスのニュアンスとは逆の方向を向いているように思います。
☆「二〇年後の川西町」という診断書を
このように言うと難しく聞こえますが、たとえば大王製紙の問題やオリンパスの問題を消費者や市民の立場からどう評価するのか。それができていれば、コンプライアンスとガバナンスの問題もそれほど難しくありません。
これらの問題は地域で日々起きていることの拡大版にすぎないからです。
要点はこうした問題を解決するためには、自分たちの内部で議論していてはだめで、会社であれば監査法人も機能しないことがわかってきたということです。
国も総務省が政策評価委員会と独立行政法人評価委員会をつくり、第3者に政府の政策評価と独立行政法人の評価を委ねています。
つまり国も企業も今や自分自身の診断を自分でやる時代ではなくなったということなのです。
ですから川西町でも第3者委員会をつくって行政評価をやってもらいましょう。
もう川西町のような自治体が自分自身の診断――行政評価を自分でやっている時代ではないのです。
そして「二〇年後の川西町」というような診断書を書いてもらい、それに沿って、教育なら教育、福祉なら福祉、農政なら農政というようにさらに細かい評価基準をつくっていく。
それが必要な時期にきています。
☆シミュレーションを第3者委員会に委託する仕組みを
町の人口が先細りになっていく中で、町の財政のバランスシートだけ見ているとただただ縮小していくだけのように見えます.
けれども農協や各農家のバランスシートとくっつけてみることができれば、そこには時間差が生まれることがわかります。
それがわかれば、どういう順番で何がおきてくるかは大方予想できるでしょう。
こうしたシミュレーションを第三者委員会に委託する仕組みをつくり、問題に直面する前に方策を積み重ねていくことが大切なのではないでしょうか。
その上で、役場のこの部分は民間に委託するとか、あるいはこの部分は残すとか判断し、町民全体の合意を形成していけばいいのです。(続く)
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